週明け30日の香港市場は反落か。世界の新型コロナウイルス感染者数が増え続け、前週末27日の米株式相場が大幅安となったことで、投資家心理が悪化しそうだ。トランプ米大統領は29日、全国民に求めている行動制限を4月30日まで続けると発表した。主要国でヒトやモノの移動の停滞が長期化するとの見方から、景気後退を警戒する売りが出ると予想する。四半期末を前に持ち高を整理する動きも相場を押し下げる可能性がある。
27日のNY市場でダウ平均は4日ぶりに反落。ハイテク株主体のナスダック総合も大幅反落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国インターネットサービス大手テンセント(
00700)や、大型金融株中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、AIAグループ(
01299)などを中心に総じて香港終値を下回って引けた。
もっとも、主要国が相次いで打ち出した大規模な緊急経済対策が、ある程度は相場を下支えする材料となるだろう。中国共産党は27日開いた中央政治局会議で、財政赤字の拡大を容認する方針を決めた。ハンセン指数が心理的節目の23000ポイント付近で下げ渋る場面がありそうだ。『香港経済日報』によるとハンセン指数のPBRは1倍を割り込み、20年ぶりの低水準にあるため、割安感に注目した買いが入りやすい環境だ。
決算発表がピークを迎え、好業績株の物色が引き続き活発となるだろう。きょうはハンセン指数構成銘柄の吉利汽車(
00175)が2019年12月本決算を発表する。