27日の香港市場は反発して始まるか。貿易問題を巡る米国と中国の関係改善への期待から買いが先行しそうだ。ラトニック米商務長官は26日、米国と中国が先月スイスのジュネーブで合意に達したレアアース供給などに関する貿易協議について「2日前に署名され、正式に成立した」と発言した。これに先立ち、トランプ米大統領は同日にホワイトハウスで開かれたイベントで、25日に中国と貿易に関する合意に署名したと述べたが、具体的な内容は明らかにしていなかった。

　前日の米ハイテク株高も地合いの改善につながるだろう。イスラエルとイランの停戦が維持され中東情勢への警戒感が和らぐ中、米長期金利の指標となる米10年債利回りの低下を追い風にハイテク銘柄が買いを集め、相場をけん引した。

　26日のNY市場ではダウ平均が反発。ハイテク株主体のナスダック総合が4日続伸し、年初来高値を更新した。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は新エネルギー車を手掛けるBYD（01211）と小米集団（01810）、石炭大手の中国神華能源（01088）が香港終値を上回った半面、香港公益株のホンコン・チャイナガス（00003）、英金融大手のHSBC（00005）が下回って引けた。

　香港証券取引所が26日に発表した統計によると、中国本土から香港株に投資する「港股通」（サウスバウンド・トレーディング）は、成約ベースで52億8600万HKドルの買い越しだった。うち上海経由は32億4100万HKドルの買い越し、深セン経由は20億4500万HKドルの買い越しだった。

　香港証券取引所は26日、深セン市場との相互株式取引「深港通（深セン・香港ストックコネクト）」の同日の統計を発表した。うち、香港株に投資する「港股通（深）」（深センコネクト・サウスバウンド）の取引状況は次の通り。

■港股通（深セン→香港）
　　当日の売買代金：524億1102万HKドル
　　買い代金：272億2824万HKドル
　　売り代金：251億8278万HKドル

■当日の売買代金上位10銘柄

1 国泰君安国際（01788）
　　売買代金：7,437百万HKドル
　　買い代金：3,835百万HKドル
　　売り代金：3,602百万HKドル

2 チャイナトラベル・ホンコン（00308）
　　売買代金：1,923百万HKドル
　　買い代金：1,026百万HKドル
　　売り代金：897百万HKドル

3 小米集団（01810）
　　売買代金：1,730百万HKドル
　　買い代金：927百万HKドル
　　売り代金：804百万HKドル

4 SMIC（00981）
　　売買代金：1,652百万HKドル
　　買い代金：1,092百万HKドル
　　売り代金：560百万HKドル

5 中国光大控股（00165）
　　売買代金：1,437百万HKドル
　　買い代金：730百万HKドル
　　売り代金：706百万HKドル

6 山東墨龍石油機械（00568）
　　売買代金：1,406百万HKドル
　　買い代金：698百万HKドル
　　売り代金：708百万HKドル

7 アリババ集団（09988）
　　売買代金：1,299百万HKドル
　　買い代金：768百万HKドル
　　売り代金：531百万HKドル

8 栄昌生物製薬（09995）
　　売買代金：1,264百万HKドル
　　買い代金：688百万HKドル
　　売り代金：575百万HKドル

9 テンセント（00700）
　　売買代金：1,154百万HKドル
　　買い代金：291百万HKドル
　　売り代金：862百万HKドル

10 信達生物製薬（01801）
　　売買代金：1,115百万HKドル
　　買い代金：895百万HKドル
　　売り代金：220百万HKドル