29日のNY株式相場は反発。予想を上回る決算が好感されたエヌビディアが大幅に上昇し相場をけん引したものの、貿易政策を巡る混乱が上値の圧迫要因となった。エヌビディアはデータセンター売上高が前年同期比73％増と好調で、株価は一時6.43％高まで上昇し、3.25％高で終了。前日引け後に米国際貿易裁判所がトランプ米大統領の「相互関税」を違法だとし、差し止めを命じたことも好感されたが、トランプ政権が控訴したことで、二審は一審の差し止め判決を一時的に停止することを命じた。

　ダウ平均は上昇してスタート後、一時270米ドル安まで下落後、117.03米ドル高（+0.28％）と反発して終了。S&P500は一時0.93％高まで上昇後、0.40％高と上昇幅を縮小して終了し、ハイテク株主体のナスダック総合は朝方に1.51％高まで上昇後、0.39％高で終了した。

　S&P500の11セクターは不動産の0.95％高を筆頭に、ヘルスケア、公益、エネルギー、ITなど10セクターが上昇し、コミュニケーションが0.35％安と唯一下落した。ダウ平均採用銘柄はボーイング、エヌビディアが3％超上昇し、アムジェン、シェブロンも1％超上昇した一方、セールスフォースが3.30％安となった。センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の19.31ポイントから19.18ポイントに低下した。

　米国際貿易裁判所が「相互関税」の差し止めを命じたことに対しトランプ政権が控訴し、二審は差し止め判決の一時停止を命じた。トランプ政権は必要なら最高裁にも申し立てるとしたことで関税を巡る不透明感が強まった。経済指標は強弱まちまち。1−3月期国内総生産(GDP)改定値が前期比年率-0.2％となり、予想の-0.3％ほど悪化しなかった一方、新規失業保険申請件数は24万件と、予想の23万件を上回る悪化となった。

▼アジア・新興市場

上海総合指数
　高値：3368.63
　安値：3337.42
　終値：3363.45
　騰落率：0.70％

香港ハンセン指数
　高値：23603.82
　安値：23207.37
　終値：23573.38
　騰落率：1.35％

インドSENSEX指数
　高値：81816.89
　安値：81106.98
　終値：81633.02
　騰落率：0.39％

日経平均株価
　高値：38454.07
　安値：38035.32
　終値：38432.98
　騰落率：1.88％

シンガポールST指数
　高値：3921.17
　安値：3896.40
　終値：3916.84
　騰落率：0.13％

クアラルンプール総合指数
　高値：1526.94
　安値：1518.38
　終値：1518.98
　騰落率：-0.30％

バンコクSET指数
　高値：1178.24
　安値：1162.88
　終値：1164.01
　騰落率：0.28％

韓国総合株価指数
　高値：2720.64
　安値：2686.64
　終値：2720.64
　騰落率：1.89％

台湾加権指数
　高値：21605.26
　安値：21347.30
　終値：21347.30
　騰落率：-0.05％

ジャカルタ総合株価指数
　※休日のため休場
　
ベトナムVN指数
　高値：1348.31
　安値：1335.62
　終値：1341.86
　騰落率：0.00％

　29日の米株式市場で、中国ネット・IT株は軒並み高。中国のネット通販最大手アリババ集団（BABA）が前日比0.38％高の117.18米ドルと反発。中国の検索エンジン最大手、百度（BIDU）も1.44％高の84.39米ドルと反発した。主な中国関連ネット・IT株の29日終値は次の通り。

　■アリババ集団（BABA）：117.18米ドル（+0.38％）
　■百度（BIDU）：84.39米ドル（+1.44％）
　■トリップ・ドットコム（TCOM）：64.56米ドル（+2.20％）
　■JDドットコム（JD）：32.94米ドル（+4.31％）
　■ウェイボー（WB）：9.21米ドル（+0.11％）
　■ネットイース（NTES）：124.27米ドル（+0.33％）
　■ハロー・グループ（MOMO）：6.13米ドル（+2.34％）
　■滴滴全球（DIDI）：4.88米ドル（+0.21％）
　■捜狐（SOHU）：10.25米ドル（+3.59％）
　■チーター・モバイル（CMCM）：4.53米ドル（+1.23％）
　■テンセント・ミュージック（TME）：17.49米ドル（-2.13％）
　■PDDホールディングス（PDD）：98.29米ドル（+0.42％）