9日の香港市場は、前日の米株安の流れを引き継いで反落か。米国と中国の関税の応酬を警戒する売りが先行しそうだ。レビット米大統領報道官が8日の記者会見で「中国に対して計104％の関税が発効する」と話した。トランプ米政権は中国からの全輸入品に20％の追加関税を課していた上、2日に34％の「相互関税」を発表。中国が8日までに米国への報復関税を撤回しなかったため、対中関税をさらに50％上乗せする。

　中国外交部報道官は8日の記者会見で「もし米国が両国および国際社会の利益を顧みず、関税戦争・貿易戦争に固執するのであれば、中国側は最後まで応じる」と述べ、改めて報復する方針を示唆した。

　8日のNY株式相場はダウ平均が4日続落し、ハイテク株主体のナスダック総合は反落した。トランプ米政権による相互関税の発動を9日に控え、経済の先行き不透明感が強まった。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は、主大型ネット株のテンセント（00700）、アリババ集団（09988）、美団（03690）、JDドットコム（09618）、金融株のAIAグループ（01299）、中国建設銀行（00939）、取引所運営の香港証券取引所（00388）がそろって香港終値を下回って引けた。

　香港証券取引所が8日に発表した統計によると、中国本土から香港株に投資する「港股通」（サウスバウンド・トレーディング）は、成約ベースで236億3400万HKドルの買い越しだった。うち上海経由は137億9600万HKドルの買い越し、深セン経由は98億3800万HKドルの買い越しだった。

　香港証券取引所は8日、深セン市場との相互株式取引「深港通（深セン・香港ストックコネクト）」の同日の統計を発表した。うち、香港株に投資する「港股通（深）」（深センコネクト・サウスバウンド）の取引状況は次の通り。

■港股通（深セン→香港）
　　当日の売買代金：671億6700万HKドル
　　買い代金：385億231万HKドル
　　売り代金：286億6470万HKドル

■当日の売買代金上位10銘柄

1 テンセント（00700）
　　売買代金：6,489百万HKドル
　　買い代金：3,912百万HKドル
　　売り代金：2,577百万HKドル

2 小米集団（01810）
　　売買代金：6,267百万HKドル
　　買い代金：3,667百万HKドル
　　売り代金：2,600百万HKドル

3 アリババ集団（09988）
　　売買代金：6,120百万HKドル
　　買い代金：3,383百万HKドル
　　売り代金：2,737百万HKドル

4 美団（03690）
　　売買代金：3,506百万HKドル
　　買い代金：1,690百万HKドル
　　売り代金：1,816百万HKドル

5 SMIC（00981）
　　売買代金：2,238百万HKドル
　　買い代金：1,227百万HKドル
　　売り代金：1,010百万HKドル

6 CNOOC（00883）
　　売買代金：1,680百万HKドル
　　買い代金：1,172百万HKドル
　　売り代金：509百万HKドル

7 南方東英ハンセンテック指数ETF（03033）
　　売買代金：1,322百万HKドル
　　買い代金：426百万HKドル
　　売り代金：896百万HKドル

8 快手科技（01024）
　　売買代金：1,187百万HKドル
　　買い代金：859百万HKドル
　　売り代金：328百万HKドル

9 薬明生物技術（02269）
　　売買代金：982百万HKドル
　　買い代金：361百万HKドル
　　売り代金：621百万HKドル

10 ポップマート（09992）
　　売買代金：926百万HKドル
　　買い代金：547百万HKドル
　　売り代金：379百万HKドル