12日の香港市場は方向感に乏しい相場か。トランプ米政権が掲げる関税強化策を巡る不透明感が強い半面、米国とウクライナの両政府が11日、ロシアによるウクライナ侵略を巡り、米国が提示した30日間の停戦案をウクライナが受け入れたと発表した。強弱材料が入り混じるなか、模様眺めムードが広がると予想する。また、12−13日に2月の米消費者物価指数(CPI)と米卸売物価指数(PPI)が発表される。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する物価指標とあって、結果を見極めたい投資家は積極的な買いを手控えるだろう。
決算発表や業績見通しを受けた個別物色が引き続き活発となりそうだ。きょうは香港フラッグキャリアのキャセイ・パシフィック(
00293)、中国ヘルステック大手の平安健康医療科技(
01833)が2024年12月本決算を発表する。
11日のNY株式相場はダウ平均など主要3指数がそろって続落した。トランプ米大統領がカナダの鉄鋼とアルミニウム関税を25%から50%に倍増するとし、その後、政権顧問によって撤回されるなど、トランプ政権の貿易政策を巡る不透明感が引き続き重しとなった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、生活アプリ運営の美団(
03690)、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)が香港終値を下回った半面、英金融大手のHSBC(
00005)、中国ネット通販大手のアリババ集団(
09988)が上回って引けた。