13日の香港市場は方向感を欠く相場か。中国の主要経済指標の発表を前に、積極的な売買を見送る投資家が多そ うだ。中国国家統計局があす、8月の小売売上高と鉱工業生産、固定資産投資、全国70都市不動産価格を公表する予定。中国景気の不透明感が強いなか、市場に様子見気分が広がると予想する。

　前日は値ごろ感からの買い戻しが入ってハンセン指数が反発したものの、相場の強気と弱気の分かれ目とされる250日移動平均（大引け時点で17240.25ポイント）を超える水準では伸び悩んだ。終値は5日以来1週間ぶりの高値だっただけに、きょうは上値が重い展開がありそうだ。半面、米連邦準備理事会（FRB）による利下げが続くとの観測が相場を下支えするだろう。

　12日のNY株式相場はダウ平均が続伸し、S&P500とナスダック総合は4日続伸となった。米8月生産者物価指数（PPI）がおおむね予想通りとなったほか、新規失業保険申請件数も予想並みの小幅な増加にとどまったことで米国経済のソフトランディング期待が続き、半導体株の上昇が相場をけん引した。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は、香港公益株のホンコン・チャイナガス（00003）、中国インターネットサービス大手のテンセント（00700）、中国4大国有銀行の中国建設銀行（00939）が香港終値を下回った半面、国際金融銘柄のHSBC（00005）とAIAグループ（01299）が上回って引けた。

　香港証券取引所が12日に発表した統計によると、中国本土から香港株に投資する「港股通」（サウスバウンド・トレーディング）は、成約ベースで30億7500万HKドルの買い越しだった。うち上海経由は12億1600万HKドルの買い越し、深セン経由は18億5900万HKドルの買い越しだった。

　香港証券取引所は12日、深セン市場との相互株式取引「深港通（深セン・香港ストックコネクト）」の同日の統計を発表した。うち、香港株に投資する「港股通（深）」（深センコネクト・サウスバウンド）の取引状況は次の通り。

■港股通（深セン→香港）
　　当日の売買代金：134億1459万HKドル
　　買い代金：76億3668万HKドル
　　売り代金：57億7791万HKドル

■当日の売買代金上位10銘柄

1 アリババ集団（09988）
　　売買代金：2,310百万HKドル
　　買い代金：2,161百万HKドル
　　売り代金：149百万HKドル

2 香港証券取引所（00388）
　　売買代金：989百万HKドル
　　買い代金：177百万HKドル
　　売り代金：812百万HKドル

3 テンセント（00700）
　　売買代金：846百万HKドル
　　買い代金：417百万HKドル
　　売り代金：429百万HKドル

4 美団（03690）
　　売買代金：607百万HKドル
　　買い代金：448百万HKドル
　　売り代金：158百万HKドル

5 CNOOC（00883）
　　売買代金：586百万HKドル
　　買い代金：301百万HKドル
　　売り代金：285百万HKドル

6 小米集団（01810）
　　売買代金：286百万HKドル
　　買い代金：193百万HKドル
　　売り代金：93百万HKドル

7 快手科技（01024）
　　売買代金：247百万HKドル
　　買い代金：125百万HKドル
　　売り代金：122百万HKドル

8 理想汽車（02015）
　　売買代金：240百万HKドル
　　買い代金：65百万HKドル
　　売り代金：175百万HKドル

9 チャイナ・モバイル（00941）
　　売買代金：232百万HKドル
　　買い代金：156百万HKドル
　　売り代金：75百万HKドル

10 中国平安保険（02318）
　　売買代金：223百万HKドル
　　買い代金：187百万HKドル
　　売り代金：36百万HKドル