14日の香港市場は強弱材料が入り混じり、方向感に乏しい相場か。米長期金利の低下を背景に運用リスクが取りやすくなる半面、貿易や対ロシア制裁を巡る欧米と中国の関係悪化が相場の重荷となりそうだ。中国の5月の鉱工業生産や小売売上高などの主要経済指標の発表を17日に控え、次第に様子見ムードが広がると予想する。

　13日発表された米5月生産者物価指数（PPI）が市場予想を下回ったことで、長期金利の指標となる米10年債利回りは一時、4月1日以来となる4.223％まで低下した。

　13日のNY株式相場は高安まちまち。好決算や株式分割を発表した半導体のブロードコムが2桁高と急伸したことでS&P500とナスダック総合が続伸したが、セールスフォースやアマゾンの下落が重しとなったダウ平均が続落した。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は、大型ネット株のアリババ集団（09988）とテンセント（00700）、金融株のHSBC（00005）、AIAグループ（01299）、中国建設銀行（00939）、中国スマートフォン大手の小米集団（01810）が香港終値を下回って終えた。

　香港証券取引所が13日に発表した統計によると、香港から中国本土株に投資する「滬股通（上海コネクト・ノースバウンド）」と「深股通（深センコネクト・ノースバウンド）」は、合わせて成約ベースで63億600万元の売り越しだった。うち上海市場の売越額は34億7000万元、深セン市場は28億3600万元だった。

　香港証券取引所が13日に発表した統計によると、中国本土から香港株に投資する「港股通」（サウスバウンド・トレーディング）は、成約ベースで39億9800万HKドルの買い越しだった。うち上海経由の買越額は12億9900万HKドル、深セン経由は26億9900万HKドルだった。