23日の香港市場は米株高の流れを引き継ぎ、買いが先行するか。イスラエルとイランが報復合戦に陥る公算は大きくないとの見方から地政学的リスクへの警戒感が後退し、買い直しの動きが続きそうだ。前日のNY市場で先週大きく下落したハイテク株が買い戻され、相場を押し上げたが、香港市場でも大型ネット株への買いが波及すれば、地合いの改善につながる可能性がある。

　決算発表や業績見通しなどの個別材料が出た銘柄の売買も引き続き活発になるだろう。前日大引け後に万洲国際（00288）やチャイナ・モバイル（00941）、紫金鉱業集団（02899）などが2024年1−3月期決算を発表した。きょうはASMPT（00522）、チャイナ・テレコム（00728）、中国平安保険（02318）などが1−3月期決算を発表する予定。

　22日のNY市場でダウ平均は253米ドル高と3営業日続伸した。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は7営業日ぶりに反発。半導体銘柄は軒並み高。先週14％近く下落したエヌビディアは4.35％高と大幅反発し、アーム・ホールディングスも6.79％上昇。フィラデルフィア半導体株指数（SOX指数）は1.74％高と4営業日ぶりに反発した。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は、主力株のHSBC（00005）、AIAグループ（01299）、中国建設銀行（00939）、テンセント（00700）、アリババ集団（09988）などが香港終値を上回って引けた。

　本日から取引停止になる銘柄と取引再開になる銘柄は次の通り。
　※ストックコネクト採用のA株とB株が対象

★以下の銘柄は本日から取引再開
◇*ST海越能源集団（600387）
◇*ST深セン市同洲電子（002052）

★以下の銘柄は本日から取引停止
◇江蘇中南建設集団（000961）：重要公告発表のため
◇金科地産集団（000656）：重要公告発表のため

　香港証券取引所は22日、深セン市場との相互株式取引「深港通（深セン・香港ストックコネクト）」の同日の統計を発表した。うち、香港株に投資する「港股通（深）」（深センコネクト・サウスバウンド）の取引状況は次の通り。

■港股通（深セン→香港）
　　当日の売買代金：163億8666万HKドル
　　買い代金：88億7804万HKドル
　　売り代金：75億862万HKドル

■当日の売買代金上位10銘柄

1 テンセント（00700）
　　売買代金：2,770百万HKドル
　　買い代金：1,618百万HKドル
　　売り代金：1,152百万HKドル

2 理想汽車（02015）
　　売買代金：819百万HKドル
　　買い代金：420百万HKドル
　　売り代金：399百万HKドル

3 CNOOC（00883）
　　売買代金：668百万HKドル
　　買い代金：224百万HKドル
　　売り代金：445百万HKドル

4 チャイナ・モバイル（00941）
　　売買代金：619百万HKドル
　　買い代金：472百万HKドル
　　売り代金：147百万HKドル

5 美団（03690）
　　売買代金：563百万HKドル
　　買い代金：318百万HKドル
　　売り代金：245百万HKドル

6 小米集団（01810）
　　売買代金：331百万HKドル
　　買い代金：200百万HKドル
　　売り代金：131百万HKドル

7 洛陽モリブデン（03993）
　　売買代金：296百万HKドル
　　買い代金：91百万HKドル
　　売り代金：206百万HKドル

8 紫金鉱業集団（02899）
　　売買代金：244百万HKドル
　　買い代金：88百万HKドル
　　売り代金：155百万HKドル

9 中遠海運控股（01919）
　　売買代金：234百万HKドル
　　買い代金：138百万HKドル
　　売り代金：96百万HKドル

10 中国建設銀行（00939）
　　売買代金：227百万HKドル
　　買い代金：134百万HKドル
　　売り代金：93百万HKドル