29日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は続伸。前場終値は前日比1.91％高の20162.65ポイントだった。中国企業指数は2.11％高の6872.08ポイント。メインボードの売買代金は概算で828億2000万HKドル。

　ハンセン指数は始値で心理的節目の20000ポイントを回復。上げ幅はじりじりと縮小したものの、同水準を守って前場の取引を終えた。事業体制の再編を発表した中国ネット通販大手のアリババ集団（09988）が13％超高となり、相場全体の上昇を主導。28日に香港株の米国預託証券（ADR）がハイテク株を中心に大きく買われた上、金融システムを巡る過度な不安が和らいで買い安心感が強まった。

　個別では、アリババ集団と同社子会社の阿里健康（00241）が急反発したほか、ネット株の美団（03690）、JDドットコム（09618）、テンセント（00700）がそろって大幅高。不動産管理の華潤万象生活（01209）、電気自動車メーカーのBYD（01211）、取引所運営の香港証券取引所（00388）は続伸している。一方、不動産開発の碧桂園（02007）と中国海外発展（00688）、製薬の翰森製薬（03692）と石薬集団（01093）、ニット衣料大手の申洲国際集団（02313）が下落。

ハンセン指数
　引値：20162.65ポイント
　前日比：378.00ポイント
　騰落率：1.91％

中国企業指数
　引値：6872.08ポイント
　前日比：142.32ポイント
　騰落率：2.11％

レッドチップ指数
　引値：3931.51ポイント
　前日比：-29.30ポイント
　騰落率：-0.74％

　29日前場の中国本土株式市場で、上海総合指数は小幅に4営業日続落。前場終値は前日比0.04％安の3243.94ポイントだった。深セン成分指数は0.27％高の11595.45ポイント。上海、深セン両市場の半日の売買代金は概算で5969億2500万元だった。

　上海総合指数は方向感に乏しい展開。反発して寄り付いた後に前日終値を挟んだ一進一退の展開となり、中盤には下げ幅を拡大したが、前引け前は再びプラス圏に浮上する場面もあった。前日に終わりベースで約1週間ぶり安値を付けた後とあって、買い戻しがある相場を程度支える半面、中国景気の回復見通しの不透明さが引き続き重荷となった。3月の中国購買担当者景気指数（PMI）の発表を今週末に控え、様子見気分が漂った。

　セクター別では、前日に買われていた石油や、採掘が反落。農業、医療サービス、建設、造船も安い。半面、航空・空港運営が全面高となったほか、半導体、電子化学品、観光・ホテルなどが買いを集めた。

　上海B株指数は0.43％安の290.64ポイント、深センB株指数は0.03ポイント安の1185.52ポイント。