9日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は3日ぶりに反発。前場終値は前日比0.23％高の20097.14ポイントだった。中国企業指数は0.05％安の6723.97ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で531億1000万HKドル。

　ハンセン指数は方向感に乏しく、前日終値を挟んでもみ合った。米利上げ加速への懸念が引き続き重荷となる半面、ハンセン指数は前日に2％超下落し、2月28日以来ほぼ1週間ぶり安値を付けた後とあって、値ごろ感の出た銘柄を買い戻す動きが下値を支えた。米連邦公開市場委員会（FOMC）が重要な判断材料とする米雇用統計の発表を米国時間の10日に控え、様子見ムードも漂った。一方、寄り付きとほぼ同時に発表された2月の中国の消費者物価指数（CPI）は前年同月比1.0％上昇、生産者物価指数（工業製品出荷価格：PPI）は1.4％下落となり、ともに市場予想から下振れした。中国の経済回復の遅れが懸念される半面、中国当局への政策期待が強まったもよう。

　個別では、電機工具メーカーの創科実業（00669）、海運会社の東方海外（00316）、自動車・電池メーカーのBYD（01211）、医薬品受託開発の薬明生物技術（02269）が高い。きょう決算発表を予定しているネット通販大手のJDドットコム（09618）も買われた。半面、ガス会社の新奥能源（02688）、ガラスメーカーの信義ガラス（00868）、火鍋チェーンの海底撈国際（06862）、アルミメーカー中国宏橋（01378）の下げが目立った。

ハンセン指数
　引値：20097.14ポイント
　前日比：45.89ポイント
　騰落率：0.23％

中国企業指数
　引値：6723.97ポイント
　前日比：-3.21ポイント
　騰落率：-0.05％

レッドチップ指数
　引値：4039.68ポイント
　前日比：-5.25ポイント
　騰落率：-0.13％

　9日前場の中国本土株式市場で、上海総合指数は4日続落。前場終値は前日比0.31％安の3273.22ポイントだった。深セン成分指数は0.18％安の11577.58ポイント。上海、深セン両市場の半日の売買代金は概算で4581億5200万元だった。

　上海総合指数は前日終値を挟んでもみ合った後、マイナス圏で軟調に推移した。米国の利上げが加速するとの警戒感が相場の重しとなったほか、寄り付きとほぼ同時に発表された2月の中国の消費者物価指数（CPI）と生産者物価指数（工業製品出荷価格：PPI）がいずれも市場予想から下振れたことも嫌気された。セクター別では、造船や教育、観光・ホテルなどが売られた半面、電子化学品やエンジニアリングサービス、半導体などが買われた。

　上海B株指数は0.11％安の296.27ポイント、深センB株指数は0.12％高の1213.83ポイントだった。