21日の香港市場は方向感に乏しい相場か。米長期金利が20日におよそ14年ぶりに4.2％台に上がり、米株式相場が下落したことが重荷となるだろう。半面、中国政府が景気てこ入れを目的に新型コロナウイルス対策の移動制限や不動産業向け融資規制を緩和するとの観測が浮上しており、投資家心理を支えると予想する。ハンセン指数は2011年10月以来ほぼ11年ぶりの安値圏にあるだけに、安値に注目した買いが入りやすい環境にある。

　四半期決算の発表を受けた個別物色が活発になりそうだ。前日大引け後、中国通信キャリアのチャイナ・モバイル（00941）とチャイナ・テレコム（00728）が2022年1−9月期決算を発表した。きょうはセメント大手の華潤セメント（01313）、自動車メーカーの長城汽車（02333）、金鉱大手の紫金鉱業集団（02899）が22年7−9月期決算を発表する。

　20日のNY株式相場は、ダウ平均など主要3指数がそろって続落した。米国債利回りの上昇が引き続き相場の重しとなった。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は高安まちまち。中国ネット通販大手のJDドットコム（09618）とアリババ集団（09988）が香港終値を上回った半面、香港公益株のホンコン・チャイナガス（00003）が下回って引けた。

■10月21日（金）

【1Q決算】東方大学城（08067）
【期末決算】中国全民国際（08170）
【期末決算】麗新製衣（00191）
【期末決算】中国天化工業（00362）
【期末決算】麗新発展（00488）
【3Q決算】深セン投控湾区発展（00737）
【3Q決算】中国建築興業（00830）
【3Q決算】華潤セメント（01313）
【3Q決算】長城汽車（02333）
【3Q決算】紫金鉱業集団（02899）
【権利落日】豊盛生活服務（00331）(期末配当）
【権利落日】力量発展（01277）(中間配当）
【権利落日】国際済豊包装（01820）(特別配当）
【権利落日】工銀南方国債ETF（03199）(3Q配当）
【権利落日】工銀南方国債ETF（83199）(3Q配当）

　香港証券取引所は20日、深セン市場との相互株式取引「深港通（深セン・香港ストックコネクト）」の同日の統計を発表した。うち、香港株に投資する「港股通（深）」（深センコネクト・サウスバウンド）の取引状況は次の通り。

■港股通（深セン→香港）
　　当日の売買代金：83億3780万HKドル
　　買い代金：49億7779万HKドル
　　売り代金：2866億8800万HKドル

■当日の売買代金上位10銘柄

1 テンセント（00700）
　　売買代金：1,924百万HKドル
　　買い代金：1,423百万HKドル
　　売り代金：501百万HKドル

2 美団（03690）
　　売買代金：1,024百万HKドル
　　買い代金：708百万HKドル
　　売り代金：317百万HKドル

3 快手科技（01024）
　　売買代金：525百万HKドル
　　買い代金：406百万HKドル
　　売り代金：119百万HKドル

4 薬明生物技術（02269）
　　売買代金：485百万HKドル
　　買い代金：259百万HKドル
　　売り代金：226百万HKドル

5 新東方在線科技（01797）
　　売買代金：412百万HKドル
　　買い代金：239百万HKドル
　　売り代金：173百万HKドル

6 李寧（02331）
　　売買代金：322百万HKドル
　　買い代金：59百万HKドル
　　売り代金：263百万HKドル

7 理想汽車（02015）
　　売買代金：321百万HKドル
　　買い代金：122百万HKドル
　　売り代金：200百万HKドル

8 BYD（01211）
　　売買代金：291百万HKドル
　　買い代金：176百万HKドル
　　売り代金：115百万HKドル

9 エン鉱能源（01171）
　　売買代金：219百万HKドル
　　買い代金：37百万HKドル
　　売り代金：182百万HKドル

10 小米集団（01810）
　　売買代金：215百万HKドル
　　買い代金：163百万HKドル
　　売り代金：53百万HKドル