12日の中国本土株式市場で、上海総合指数は4日ぶりに反落。終値は前日比0.22%安の3524.74ポイントだった。深セン成分指数は0.79%安の14901.97ポイントと続落。上海、深セン両市場の売買代金は概算で1兆3048億7000万元だった。
上海総合指数は総じてマイナス圏でもみ合った。序盤はプラス圏に浮上する場面もあったが、買いの勢いは弱かった。前日に発表された7月の金融統計でマネーサプライM2や融資増加額などがそろって市場予想を下回ったことや、中国当局の監督・管理強化に対する警戒感が重荷。中国指導部は政府の法治体制を2025年までに整備する「法治政府建設実施要項(2021−25年)」を各地方と部局に通達し、独占と不正競争行為を取り締まる法の執行を強めることや、重要分野での立法強化を指示した。もっとも、指数は3515ポイント付近で下げ渋ると、その後は下げ幅を縮小したが、前日終値に近づく水準では上値の重さが目立った。
セクター別では、保険が全面安。当局がネット保険への監督管理を強化するとの報道が嫌気された。軍需、酒造、航空・空港運営も売られた。半面、貴金属、非鉄金属、鉄鋼、自動車が上昇した。
A株市場では、酒造の貴州茅台酒(
600519)、宜賓五糧液(
000858)が売られたほか、新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気して格安航空会社の春秋航空(
601021)、免税店運営の中国旅遊集団中免(
601888)が安い。ディスプレー広告大手の分衆伝媒信息技術(
002027)、豚肉大手の河南双匯投資発展(
000895)も下げた。半面、中国汽車工業協会(CAAM)が発表した7月の新エネルギー車の販売台数が月間最多を更新したことを好感して自動車・電池関連の広州汽車集団(
601238)、BYD(
00259)、寧波杉杉(
600884)が逆行高。テクノロジー関連の歌爾(
002241)、大族激光科技産業集団(
002008)、非鉄金属の中国アルミ(
601600)、産金株の紫金鉱業集団(
601899)が上昇した。
上海B株指数は0.09%高の264.37ポイント、深センB株指数は0.51%高の1217.03ポイントとともに反発した。