4日の香港市場は軟調な展開か。中国当局がゲーム事業を手掛けるインターネット・プラットフォーム企業への監督を強化するとの警戒感が相場の重荷となりそうだ。前日は、国営新華社系の経済紙「経済参考報」がオンラインゲームによる未成年への悪影響を糾弾する記事を掲載したことで、ゲーム銘柄が急落。記事はいったん電子版から取り下げられ、ゲーム株の下げ幅縮小につながったものの、現地時間午後6時ごろに再掲載された。再掲載版ではオンラインゲームを「精神的アヘン」「電子毒物」とする表現はなくなったが、「オンラインゲームの危険性はますます社会の共通認識になっている」などの批判は残った。
新型コロナウイルスの感染再拡大が景気を減速させかねないとの懸念もくすぶる。感染力の強いデルタ型が世界各地に広がるなか、中国本土とマカオでも新規感染者数が増勢傾向にある。
もっとも、前日の米株式相場の上昇が香港市場でも下支えの材料になる可能性がある。ハンセン指数は心理的節目の26000ポイントが下値のめどとして意識されそうだ。決算発表や業績見通しを手掛かりとする個別物色は引き続き活発に行われるだろう。きょうはハンセン指数構成銘柄の電能実業(
00006)と長江インフラ(
01038)が2021年6月中間決算を発表する。
3日のNY株式相場は、ダウ平均が3営業日ぶりに反発し、ハイテク株主体のナスダック総合は続伸した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国インターネットサービス大手のテンセント(
00700)とアリババ集団(
09988)、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)が香港終値を下回った。半面、英金融大手HSBC(
00005)は上回って終えた。