29日の香港市場は上値の重い展開か。中国本土であす30日に6月の製造業購買担当景気指数(PMI)が発表されるため、内容を見極めたい投資家心理から様子見気分が広がる可能性がある。5月は主要経済指標の多くが市場コンセンサス予想を下回っていたことを受け、中国経済が急回復局面を経て調整期に入る可能性があるとの見方も出ており、6月の景況感動向が注目される。また、きょうは指数先物の最終売買日に当たるため、持ち高調整の売りが意識されそうだ。
前日のNY市場でダウ平均は3営業日ぶりに反落。ダウ平均が5月に付けた史上最高値に迫っていることから、足元で上昇していた景気敏感株が売られた。一方、米長期金利の低下でハイテク株など高いPER株が買われ、ナスダック総合指数は反発した。香港市場にもハイテク株やグロース株に買いが波及すれば、地合いの改善につながる可能性がある。
28日の香港株の米国預託証券(ADR)は、主力株ではテンセント(
00700)が香港終値を上回った半面、HSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)、AIAグループ(
01299)、アリババ集団(
09988)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約30ポイント下回って寄り付くことになる。