9日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は小幅ながら6営業日続落。前場終値は前日比0.07％安の28762.26ポイントだった。中国企業指数は0.12％安の10716.78ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で621億5000万HKドルだった。

　ハンセン指数は小安く寄り付いた後、前日終値を挟んで一進一退の展開。インフレ懸念が根強いなか、米5月消費者物価指数（CPI）の発表を日本時間10日夜に控えて見送りムードが広がり、相場の方向感を欠いた。前日のダウ平均の続落が嫌気された一方、ナスダック総合の3日続伸や米長期金利の低下が投資家心理を支えた。中国国家統計局が寄り付き後に発表した5月の物価統計はまちまちの内容。消費者物価指数（CPI）が市場予想を下回った半面、生産者物価指数（工業製品出荷価格：PPI）は市場予想を上回った。

　個別では、ハイテク株の阿里健康（00241）と小米集団（01810）、美団（03690）、アリババ集団（09988）がそろって下落。スポーツ用品の安踏体育用品（02020）、電気自動車のBYD（01211）、英金融大手HSBC（00005）も売られた。半面、乳業大手の中国蒙牛乳業（02319）が5％超上げた。原油高を受け、中国石油メジャーのCNOOC（00883）、ペトロチャイナ（00857）、シノペック（00386）が軒並み高。不動産株の上昇も目立ち、碧桂園服務（06098）、中国海外発展（00688）、龍湖集団（00960）などが買われた。

　9日前場の中国本土株式市場で、上海総合指数は反発。前場終値は前日比0.40％高の3594.53ポイントだった。深セン成分指数は0.19％高の14744.23ポイント。上海、深セン両市場の半日の売買代金は概算で5448億8300万元だった。

　上海総合指数は小安く寄り付いた後、序盤は前日終値を挟んでもみ合ったが、プラス圏に浮上すると、徐々に上げ幅を拡大した。米中の関係悪化や新型コロナウイルスの感染拡大などが警戒されたが、指数は前日に約2週ぶり安値を付けた後とあって、買い戻す動きが広がった。寄り付きと同時に発表された5月の物価統計は、消費者物価指数（CPI）が市場予想を下回ったが、生産者物価指数（工業製品出荷価格：PPI）は市場予想を上回った。セクター別では、石炭と石油が全面高となったほか、端午節連休を前にホテル・観光も買われた。半面、造船、証券、銀行が売られた。

　上海B株指数は0.07％高の254.92ポイント、深センB株指数は0.50％高の1167.22ポイントだった。