3日の香港市場はもみ合う展開か。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、世界経済が正常化に向かうとの見方が相場を支える半面、積極的な買い材料に乏しい中、週末の米雇用統計の発表を前に様子見気分が強まりそうだ。前日のNY市場はダウ平均が小幅に5日続伸したが、5月上旬につけた過去最高値に接近しているだけに上値は重かった。米長期金利の低下を受けて、高PERのハイテク株などが買われ、ナスダック総合指数は小反発した。
本土市場の動きも気がかりだ。このところ人民元高を受けた海外からの資金流入期待が相場上昇の一因だが、中国人民銀行(中央銀行)が外貨の預金準備率引き上げを発表したことを受けて足元の元高が一服し、海外からの資金流入期待は後退した。香港から相互取引を通じて本土株を売買する「北向き」資金は2日、20億元超の売り越しに転じた。
2日の香港株の米国預託証券(ADR)は、主力株ではHSBC(
00005)、AIAグループ(
01299)、テンセント(
00700)が香港終値を上回った半面、中国建設銀行(
00939)、アリババ集団(
09988)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約30ポイント超上回って寄り付くことになる。