週明け31日の中国本土株式市場で上海総合指数は小安く寄り付いた後、ほどなくして心理的節目の3600ポイントを割り込んだ。米ドルに対する急激な人民元高をけん制する当局幹部の発言が相次ぎ、元高を受けた海外資金の流入に対する期待が後退。広東省で新型コロナウイルスのインド変異株の感染が拡大していることへの警戒感も重荷となっている。

　指数は日本時間午前10時43分現在、前営業日比0.21％安の3593.24ポイントで推移。セクター別では、観光・ホテル、港湾・海運、航空・空港運営が安い。保険、銀行も売られている。半面、医療、製薬、非鉄金属が堅調。

　週明け31日の香港市場でハンセン指数は小高く寄り付いたが、ほどなくしてマイナス圏に沈んでいる。米国が金融緩和を続ける一方で巨額の財政出動を打ち出し、世界経済の成長をけん引するとの見方が広がったが、インフレの加速と金利の上昇に対する警戒感がくすぶっているもよう。中国が発表した5月の製造業購買担当者景気指数（PMI）は51.0と市場予想（51.1）を小幅に下回った。

　指数は日本時間午前10時40分現在、前営業日比0.52％安の28973.65ポイントで推移している。個別では、ニット衣料最大手の申洲国際集団（02313）やカジノ株の銀河娯楽（00027）、サンズ・チャイナ（01928）が安い。金融関連のAIAグループ（01299）やハンセン銀行（00011）も下げている。半面、28日大引け後に決算を発表した美団（03690）が高い。ハイテク株のテンセント（00700）や小米集団（01810）、バイオ医薬品の開発受託会社である薬明生物技術（02269）、スポーツ用品大手の安踏体育用品（02020）も買われている。