27日の香港市場はもみ合う展開か。ワクチン接種の普及に伴う経済活性化への期待が根強い半面、インドなどの新興国を中心に新型コロナウイルス変異株の感染が拡大する中で世界景気の不透明感も懸念されている。米連邦公開市場委員会(FOMC)が27−28日に開かれるほか、30日には4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表されることから、その結果を見極めたい投資家は様子見姿勢を強める可能性がある。また、メーデー連休を控え、本土投資家が相互取引制度を通じて香港株を売買する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は29日から5月5日まで停止する。大型連休を前に持ち高調整の売りが重荷になりそうだ。
前日のNYの市場は高安まちまち。アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの決算発表を控え、ハイテク株主体のナスダック総合は0.87%高と続伸し、2月12日以来、2カ月半ぶりに終値の最高値を更新した。一方、ダウ平均は小幅に反落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、主力株ではHSBC(
00005)やAIAグループ(
01299)が香港終値を上回った半面、テンセント(
00700)、アリババ集団(
09988)、中国建設銀行(
00939)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約30ポイント上回って寄り付くことになる。