9日の香港市場は上値の重い相場か。米国の長期金利の低下と株高を受けたハイテク株買いが相場を支える一方、いったん利益を確定する売りが出ると予想する。前日のハンセン指数は心理的節目の29000ポイントを上抜け、終値が3月18日以来3週間ぶりの高値となっただけに、高値警戒感がくすぶる。米国と中国の対立が先鋭化するリスクも意識されるだろう。米商務省は8日、中国でスーパーコンピューターの開発を手掛ける企業や研究機関など7社・団体を「エンティティー・リスト」に追加した。バイデン米政権が同リストで中国企業に事実上の禁輸措置を適用するのは初めて。
上場企業の四半期決算や業績見通しを手掛かりに個別銘柄を物色する動きは引き続き活発だろう。また、中国国家統計国がきょう午前、3月の主要物価指標を発表する。
8日のNY株式相場は、ダウ平均が続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合は3日ぶりに反発した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。中国インターネットサービス大手のテンセント(
00700)、英金融大手のHSBC(
00005)、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)が香港終値を上回った半面、アジア保険会社のAIAグループ(
01299)、製薬の中国生物製薬(
01177)と石薬集団(
01093)が下回って引けた。