23日の香港株式市場で、ハンセン指数は3営業日続落。終値は前日比1.34%安の28497.38ポイントだった。中国企業指数は1.73%安の11111.18ポイント。メインボードの売買代金は概算で1665億8000万HKドル。
ハンセン指数は心理的節目の29000ポイントに乗せて寄り付いたものの、ほどなくして下向きに転じ、下げ幅を拡大した。米長期金利の低下を好感して前日の米国市場で高PER銘柄が上昇した流れを引き継ぎ、朝方はハイテク・グロース株が買われたものの、上値の重さが意識されると次第に売りが優勢。新疆ウイグル族問題を巡り欧州連合(EU)と米国、英国、カナダが足並みを揃えて中国政府当局者らへの制裁を発表したことを受け、中国と欧米の政治的対立が懸念されたほか、本土市場の下落も地合いを悪化させた。もっとも、指数は28400ポイント付近で下げ渋り、中盤以降はおおむね28400−28500ポイントのレンジでもみ合った。
ハンセン指数構成銘柄では、前引け後に決算を発表した吉利汽車(
00175)が約7%の大幅安。2020年通期純利益の予想下振れや減配に加え、上海証券取引所ハイテク企業向け新市場「科創板」への上場計画が難航しているとの報道が嫌気された。ニューエコノミー株の小米集団(
01810)や美団(
03690)、きょう決算発表を予定している薬明生物技術(
02269)、海底撈国際(
06862)も下げがきつい。半面、ビールメーカーのバドワイザーAPAC(
01876)が大幅逆行高を演じたほか、長江和記実業(
00001)、新鴻基地産(
00016)など香港地場系銘柄の一角や本土系不動産株の龍湖集団(
00960)がしっかり。
このほか、電子たばこ機器の世界最大手、思摩爾国際(
06969)が27%安と急落。電子たばこに対する中国当局の規制強化が売り材料となった。きょう香港市場にセカンダリー上場した中国検索エンジン最大手の百度(
09888)は公開価格と変わらずの252HKドルで引けた。