10日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は4営業日続伸。前場終値は前日比1.74％高の29988.72ポイントだった。中国企業指数は1.76％高の11807.38ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で988億5000万HKドル。

　ハンセン指数はプラス圏で堅調に推移した。新型コロナウイルスワクチンの普及や経済回復見通しなどを背景に相場の先高観は根強く、幅広い銘柄に買いが入った。中国人民銀行（中央銀行）が9日発表した金融統計で、国内金融機関による1月の人民元建て貸付残高増加額が3兆5800億元と過去最高を記録したことが好感され、本土銀行株が買われたほか、IT株も買われ、指数は一時30000ポイントの大台に乗せた。

　個別では、美団（03690）が5％超上昇したほか、テンセント（00700）は3％超上昇。香港証券取引所（00388）や交通銀行（03328）、HSBC（00005）も高かった。半面、碧桂園（02007）やCNOOC（00883）がさえない。

                                 引値    前日比    騰落率 (%)

 ハンセン指数                 29988.72    512.53      1.74

 中国企業指数                 11807.38    204.62      1.76

 レッドチップ指数              4008.21      8.39      0.21

 GEM指数                        186.49     -0.28     -0.15

　10日前場の中国本土株式市場で、上海総合指数は3日続伸。前場終値は前日比1.03％高の3640.65ポイントだった。深セン成分指数も1.89％高の15926.08ポイントと3日続伸。上海、深セン両市場の半日の売買代金は概算で5249億元だった。

　上海総合指数は高く寄り付いた後、プラス圏でもみ合った。3月上旬に開催する「両会」（全国政治協商会議・全国人民代表大会）への政策期待から相場の先高観が根強く、買いを支えた。1月の人民元建て貸付残高増加額が過去最高を記録したことや、午前中に発表された1月の生産者物価指数（工業製品出荷価格：PPI）が1年ぶりにプラスに転じたことも好感。指数は前日に2％超上昇した後とあって、上値が重い場面もあったが、終盤に上げ幅を拡大し、きょうの高値圏で終えた。

　セクター別では、保険が全面高となったほか、医療・製薬、酒造の上昇が目立った。半面、石炭、銀行、航空・宇宙関連の一角が売られた。

　上海B株指数は0.15％高の243.61ポイント、深センB株指数は0.46％高の1111.77ポイントだった。