3日の香港市場は上値の重い展開か。前日にハンセン指数が心理的節目の29000ポイントを回復し、約1週間ぶり高値を付けただけに、利益確定売りが出やすい状況。半面、米株高が支えになりそうだ。先週の波乱要因となったゲームストップなどが大幅に続落し、個人投資家の投機的な取引への懸念が和らいだほか、米追加経済対策の成立期待などを受けて前日のNY市場でダウ平均が475米ドル高と大幅に続伸。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も上昇して終えた。
前日大引け後に中国ネット通販最大手のアリババ集団(
09988)が発表した2020年10−12月期決算は売上高、純利益、非GAAPベースの調整済み純利益がいずれも予想を上回った。一方、張勇会長は業績説明会で当局による独占禁止調査などに言及し、傘下金融会社、アントグループの事業の先行きと上場計画の再開に「重大な不確実性がある」とした。これを嫌気して米市場でアリババ集団の米国預託証券(ADR)が3.85%安と急落し、香港終値に対して5.13%下げた。
アリババ集団を除いた香港株のADRは、主力株では欧州金融のHSBC(
00005)、IT大手のテンセント(
00700)、保険大手の中国平安保険(
02318)などが香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値付近で寄り付くことになる。