28日の中国本土株式市場で、上海総合指数は続落。終値は前日比0.63%安の3483.07ポイントだった。深セン成分指数も0.61%安の14821.99ポイントと続落した。上海、深セン両市場の売買代金は概算で9521億8800万元だった。
上海総合指数は高く寄り付いた後、前場はおおむね小高い水準でもみ合ったが、後場に入ると下向きに転じ、下げ幅を拡大した。短期金利の指標となる上海銀行間取引金利(SHIBOR)翌日物の上昇を受けて資金のひっ迫が懸念されたほか、米国市場で個人投資家による投機的な売買の影響で再びボラティリティーの高い相場になるとの警戒感からダウ先物指数が急落したことを嫌気し、リスクオフの動きが加速。指数は心理的節目の3500ポイントを割り込み、一時は下落率が約1.7%に達した。もっとも、ダウ先物指数がやや戻したこともあり、終盤には下げ幅を縮小した。
セクター別では、通信キャリア、軍需関連、石炭、農業が安い。半面、航空・空港運営、観光・ホテルが買われた。中国本土で新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあることが好感されたもよう。酒造、銀行も堅調。
A株市場では、車載リチウム電池メーカーの国軒高科(
002074)、自動車メーカーの広州汽車集団(
601238)、鄭州宇通客車(
600066)、保険大手の中国太平洋保険(
601601)、ゲーム関連の三七互娯網絡科技集団(
002555)が安い。前日にストップ安を付けたテクノロジー株の歌爾(
002241)はきょうも4%超下げた。同社は財務最高責任者(CFO)の人事異動を受けて業績悪化の可能性や粉飾決算の疑いを指摘する前日のメディア報道を否定したほか、2020年12月本決算で純利益が前年比2.3倍との業績速報を発表したが、買い戻しにはつながらなかった。半面、空港運営の上海国際機場(
600009)、航空大手の中国国際航空(
601111)、中国東方航空(
600115)、免税店運営の中国旅遊集団中免(
601888)、映画館チェーンの万達電影(
002739)が大幅逆行高を演じた。
上海B株指数は0.67%安の244.06ポイント、深センB株指数は0.35%安の1066.77ポイントとともに続落した。