28日の香港市場は米株安の流れを引き継ぎ売りが先行するか。前日のNY市場でダウ平均は633米ドル安と大幅に5日続落。約3週間ぶりの安値を付け、今年最大の下げ幅を記録した。ハイテク株比率の高いナスダック総合も続落し、下げ幅が今年最大だった。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日比+14.19ポイントの37.21ポイントに急上昇した。米株安を嫌気し、香港市場でもリスクオフの動きが広がりそうだ。
米連邦準備理事会(FRB)は27日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利と量的金融緩和の現状維持を決めたが、市場の予想通りで反応は限られた。一方、FRBのパウエル議長がFOMC終了後に開いた記者会見で、新型コロナウイルスの感染再拡大が「経済活動の重荷となっている」と述べた。コロナの感染拡大で世界的な景気の冷え込みに対する警戒感が高まる可能性がある。
もっとも、足元で香港と中国本土市場との相互取引制度(ストックコネクト)を通じて香港株を売買する「南向き資金」の流入が香港市場の支えとなっている。今週に入ってから本土投資家による買越額は100億HKドルを上回る水準で推移しており、前日は235億HKドルと1週間ぶりに200億HKドルを上回った。本土マネーの動きに引き続き注目したい。
27日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、アジア生保のAIAグループ(
01299)、IT大手のテンセント(
00700)、中国ネット通販最大手のアリババ集団(
09988)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)が香港終値を下回って終えた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日の終値を380ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。