20日の香港市場は底堅い展開か。ハンセン指数は前日まで大幅に4日続伸し、節目の29000ポイントに乗せて約1年8カ月ぶり高値で終えた。高値警戒感から目先の利益をいったん確定する動きが重荷になりそうだ。一方、世界的な低金利環境の継続や中国経済の回復見通しに加え、米政権交代で新たな対中制裁の動きが小休止になるとの見方から香港市場の先高観が根強く、利益確定売りを消化しながら上値を探る可能性がある。
前日の香港市場でメインボードの売買代金は初めて3000億HKドルを超えた。背景にあるのは本土マネーの流入の加速。中国本土市場との相互取引制度を通じた売買は19日が265億9000万HKドルの買い越しとなり、前日に続き過去最高を記録した。中国本土で相互取引対象の香港株に投資するETFなどの販売が活況を呈する中、本土からの資金流入に対する期待も引き続き地合いを支えそうだ。
19日のNY市場でダウ平均が4日ぶりに反発し、ハイテク株主体のナスダック総合も3日ぶりに反発した。イエレン次期米財務長官の議会証言を受けて大型経済対策への期待が高まったことや、コロナワクチンの早期普及による景気回復期待が支援となった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、金融大手のHSBC(
00005)、AIAグループ(
01299)が香港終値を下回った半面、IT大手のテンセント(
00700)、石油メジャーのCNOOC(
00883)が上回って引けた。