30日の香港市場は軟調な展開か。あすは大みそかで半日立ち会い、1月1日は正月で終日休場となるため、連休を前に投資家はリスクを取りにくくなりそうだ。11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表をあすに控えていることもあり、様子見気分が強まる可能性がある。中国経済の回復や当局の政策支援に対する期待が相場を支える半面、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大、米中対立への懸念が引き続き重荷となりそうだ。
29日のNY市場で主要3指数は取引時間中の史上最高値を更新したが、そろって反落して終えた。経済対策に盛り込まれた現金給付の増額期待の後退やコロナ感染拡大などを嫌気して利益確定売りが優勢となった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、インターネット関連株のテンセント(
00700)、アリババ集団(
09988)が香港終値を大幅に上回った半面、欧州金融のHSBC(
00005)、アジア生保のAIAグループ(
01299)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前週末の終値を40ポイント超上回る水準で寄り付くことになる。
中国当局によるネット関連企業への規制強化も引き続き気がかりだ。前日にテンセント、アリババ集団が急反発し、それに追随してNY市場でADRも大幅に上昇したが、政策を巡る先行き不透明感が依然として根強い。短期的な利益確定売りでIT株が大きく反落すれば、投資家心理を悪化させる可能性がある。