22日の中国本土株式市場で、上海総合指数は続落。終値は前日比0.38%安の3312.50ポイントだった。深セン成分指数も0.53%安の13396.18ポイントと続落。上海、深セン両市場の売買代金は概算で6636億9500万元だった。
上海総合指数は安く寄り付いた後に下げ幅を広げ、心理的節目の3300ポイントを割り込んだ。新規の買い材料が乏しい中で売りが先行。アリババ集団(
09988)傘下の金融サービス会社、アント・グループの大型株式新規公開(IPO)を前に、資金のひっ迫が警戒されたほか、香港市場との相互取引制度を通じた本土A株の売買(北向き取引)は売り越しが続き、海外資金の流出も引き続き意識された。ただ、3280ポイント付近で下げ渋ると、もみ合いながら下値を切り上げる展開となり、節目を回復。来週26−29日に中国共産党の第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が控えており、根強い政策期待が相場を支えた。
セクター別では、保険が全面安。化学繊維、医療、農業関連、製薬が売られた。半面、酒造、証券が上昇した。
A株市場では、英製薬大手などが開発を進める新型コロナウイルスワクチンの臨床試験参加者1人の死亡が伝わり、ワクチン関連株の上海復星医薬(
600196)が安い。中国当局が海外団体旅行の禁止を継続すると表明したことを受けて春秋航空(
601021)、上海国際機場(
600009)など航空関連が売られた。2020年1−9月期決算を発表した通信キャリアの中国聯合網絡通信(
600050)も下げた。半面、車載リチウム電池メーカーの国軒高科(
002074)がストップ高をつけたほか、電池材料の寧波杉杉(
600884)、自動車・電池メーカーのBYD(
002594)も上昇が目立った。20年1−9月期決算が小幅増益となった酒造株の江蘇洋河酒廠(
002304)が買われた。
上海B株指数は0.23%安の251.70ポイント、深センB株指数は0.38%高の945.98ポイントとともに反発した。