29日の香港市場は、前日の米株安の流れを引き継いで続落か。トランプ米大統領が香港の自治を巡る中国への対応について29日に記者会見を開くと発表したことを受け、米中対立の先鋭化を警戒する売りが出ると予想する。中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は28日、「香港国家安全法」の制定方針を採択して閉幕した。市場では「一国二制度」と呼ばれる高度な自治が形骸化し、人材や資金の流出につながりかねないとする見方が広がった。
もっとも、全人代が実施された後に中国当局が経済対策を本格化させるとの期待は根強く、下値を売り込む動きは限られそうだ。中国本土相場が上昇すれば、ハンセン指数が心理的節目の23000ポイント付近で下げ渋る展開がありそうだ。週末に中国の4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表を控え、結果を見極めたい投資家が積極的な売買を見送る可能性もある。
28日のNY株式相場は主要3指数がそろって反落。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は総じて下落。時価総額の大きい国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、中国インターネットサービス大手テンセント(
00700)、中国4大商業銀行の中国建設銀行(
00939)が香港終値を下回って引けた。