28日の香港市場は売り優勢で始まるか。中国では全国人民代表大会(国会に相当)がきょう午後に閉幕する。中国政府が制定を目指す香港の「国家安全法」に対し、ポンペオ米国務長官は27日、香港に対し米国内法に基づく優遇措置を認められないと議会に報告。トランプ政権が香港への優遇関税措置の停止を検討していることなどが伝わった。香港市場ではこのほか、オフショア人民元の下落を受けて資金流出懸念が強まっていることに加え、きょうはハンセン指数先物5月物の最終売買日に当たり、持ち高整理の売りが出やすいことも相場の重しとなるだろう。
一方、前日の米NY株式相場は主要3指数がそろって上昇。全米で経済活動が段階的に再開されるなかで景気回復期待が広がり、ダウ平均は2カ月半ぶりの高値を付けた。中国の全人代における金融緩和と経済対策への期待もある程度、相場の支えとなるだろう。
なお、前日の香港株の米国預託証券(ADR)は、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、中国IT大手のテンセント(
00700)、本土国有銀行大手の中国建設銀行(
00939)などが香港終値を下回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を200ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。