19日の中国本土株式市場で、上海総合指数は4営業日ぶりに反落。終値は前日比0.32%安の2975.40ポイントだった。深セン成分指数も0.63%安の11235.60ポイントと4営業日ぶりに反落した。上海、深セン両市場の売買代金は概算で1兆388億1500万元と、1兆円台に乗る大商いだった。
上海総合指数は総じて前日終値を挟んだ一進一退の展開。前日まで3営業日続伸し、春節(旧正月)連休前の水準を回復しただけに、利益確定売りが重荷となった。一方、新型肺炎の新規感染者数の減少傾向が続いていることが好感されたほか、中国当局の景気対策や、金融緩和に対する期待が相場を支え、心理的節目の3000ポイントに近づく場面もあった。もっとも、同節目付近の上値の重さが意識されると、終盤にマイナス圏に沈み、きょうの安値圏で取引を終えた。
セクター別では、通信キャリア、造船が全面安。農薬、医療関連、製薬、文化・娯楽・メディアも売られた。半面、産金、観光・ホテル、空港・航空運営が堅調。
A株市場では、米テスラがコバルトフリータイプの車載電池を採用するとの報道を受けて、コバルト銘柄として足元で買われていた洛陽モリブデン(
603993)がストップ安。大手LED用チップメーカーの三安光電(
600703)、リチウム製品メーカーの天斉リチウム(
002466)の下げも目立った。医薬株の上海復星医薬(
600196)、上海莱士血液製品(
002252)、ゲーム関連の三七互娯網絡科技集団(
002555)、完美世界(
002624)やテクノロジー関連の科大訊飛(
002230)が下落した。半面、自動車・電池メーカーのBYD(
002594)が高い。免税店運営の中国国旅(
601888)、空港運営の上海国際機場(
600009)、酒造株の貴州茅台酒(
600519)、宜賓五糧液(
000858)などが上昇した。新型肺炎で大きな打撃を受けた業界への当局の政策支援に対する期待が買いを誘ったもよう。
上海B株指数は0.37%安の239.43ポイント、深センB株指数は0.36%安の945.97ポイントとともに3日ぶりに反落した。