22日の香港市場は買い戻しが先行か。米中貿易交渉の難航懸念から前日にハンセン指数が400ポイント超下げた後とあって、反発狙いの買いが入りやすい。米中を巡っては、中国の劉鶴副首相が通商協議継続のためにライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン米財務長官を北京に招待したと米『ウォールストリート・ジャーナル』が21日に伝えたほか、香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は両国の貿易交渉の継続を念頭に「米政府は12月に予定する対中追加関税の第4弾の発動を見送る」と報じた。前日に高まっていた貿易問題に対する市場の悲観ムードはやや後退すると予想する。
もっとも、上値は重い展開になりそうだ。米上下院を通過した「香港人権・民主主義法案」にトランプ大統領が署名するとの見方が広がる中、米中対立の激化に対する警戒感が根強い。また、混乱が続く香港では24日に区議会議員選挙が予定されているが、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は安全が確保できなければ延期の可能性を示唆していた。米中協議の行方や香港情勢を見極めたい心理から一方的に持ち高を傾ける動きは限られるだろう。
21日のNY市場でダウ平均3日続落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は小幅に続落した。20日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)が香港終値を下回った半面、IT大手のテンセント(
00700)、石油メジャーのCNOOC(
00883)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、アジア生保のAIAグループ(
01299)は上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約100ポイント上回る水準で寄り付くことになる。