20日の香港市場は買い戻しが優勢も上値の重い展開か。前日のハンセン指数は4営業日続落し、節目の30000ポイントを下回った。ただ、4カ月ぶりの安値圏まで下落するとともに、この期間の下落幅が1600ポイントを超えているだけに、自律反発を狙った買いが入りやすい環境。中国本土市場でも上海総合指数が前日にほぼ2年ぶりの安値を付け、一旦は買い戻しの動きが広がる可能性がある。ただ、相場の重しとなっている米中貿易摩擦のエスカレートに対する警戒感は収まっておらず、上昇の勢いは限られそうだ。米メディアの報道によると、米ホワイトハウスの高官は19日、中国当局と複数回にわたって通商問題を巡る協議を行ったものの、進展は見られていないとの認識を示している。
19日のNY株式相場は主要3指数がそろって下落。トランプ米大統領が新たな対中制裁関税を米通商代表部(USTR)に指示したことで米中貿易摩擦の激化懸念が高まり、ダウ平均は2017年3月以来の6営業日続落となった。一方、同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、IT大手のテンセント(
00700)、本土4大商業銀行の中国工商銀行(
01398)など主力銘柄が総じて香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約170ポイント上回る水準で寄り付くことになる。