24日の香港株式市場でハンセン指数は3営業日ぶりに反発。終値は前日比1.26%高の30636.24ポイントだった。中国企業指数は2.04%高の12244.88ポイント。メインボードの売買代金は概算で974億6000万HKドル。
ハンセン指数は高く寄り付いた後、上げ幅を広げた。本土株式市場で上海総合指数が3営業日ぶりに大幅に反発したことを好感。本土で商業銀行を対象とする預金準備率の引き下げがあす25日に実施されるほか、中国人民銀行(中央銀行)が前日に続き公開市場操作(オペ)を通じて市場に資金を供給したことで、流動性の緩和期待が投資家心理の改善につながった。香港市場にも本土金融株などへの買いが波及し、指数を押し上げた。米金利上昇や米中貿易摩擦といった懸念材料が根強い中、ハンセン指数は上値抵抗として意識される50日移動平均(大引け時点で30678.85ポイント)に近づく水準で伸び悩んだが、きょうの高値圏で引けた。もっとも、中国平安保険(
02318)からスピンオフ上場する平安健康医療科技(
01833)の公募が始まり、IPO(株式新規公開)の申し込みで多額な資金が拘束されている影響もあり、売買代金は1000億HKドルの大台に届かなかった。
ハンセン指数構成銘柄では、中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、中国平安保険(
02318)など大型本土金融株がそろって高い。前日に開かれた中国共産党の中央政治局会議で、習近平国家主席が「構造改革と内需拡大の融合を加速させる」と発言したことを受け、内需関連の融資に対する規制が緩むとの思惑から本土不動産の碧桂園(
02007)、華潤置地(
01109)、中国海外発展(
00688)が大幅に反発。石炭大手の中国神華能源(
01088)、乳製品大手の中国蒙牛乳業(
02319)、豚肉大手の万洲国際(
00288)も上昇が目立った。半面、衛生用品の恒安国際集団(
01044)が大幅逆行安。同社が発表したフィンランドのパルプ生産事業への出資計画にクレディ・スイスが懸念を示し、投資判断と目標株価を大幅に引き下げたことが嫌気された。スマホ部品メーカーの瑞声科技(
02018)は高く始まったものの、小幅ながら10営業日続落で引けた。
H株では、建材の中国建材(
03323)、石炭のエン州煤業(
01171)、中国中煤能源(
01898)、ディーゼルエンジンのウェイチャイ・パワー(
02338)、鉄鋼の馬鞍山鋼鉄(
00323)、アンガン・スチール(
00347)など上昇が目立った。航空大手の中国東方航空(
00670)、中国国際航空(
00753)、中国南方航空(
01055)がそろって続伸した。半面、2018年1−3月期の減益決算を発表した中国アルミ(
02600)は7%を超す下げ。20日に株式取引を再開した中国華融資産管理(
02799)は3営業日続落した。