週明け20日前場の香港株式市場でハンセン指数は3営業日続伸。終値は前日比0.21%高の29260.31ポイントだった。H株指数は0.61%安の11538.28ポイント。メインボードの売買代金は概算で1082億4000万HKドル。
ハンセン指数は方向感に乏しかった。小高く寄り付いたものの、ほどなくしてマイナス圏に沈んだ。軟調な本土市場が投資家心理を冷やしたほか、指数が10年ぶりの高値圏にあるだけに、利益確定売りも出やすい状況だった。一方、後場に上海総合指数が下げ幅を縮小すると、ハンセン指数も上向き、再びプラス圏に浮上。相互取引制度を通じた本土マネーの流入が高い水準を維持していることに加え、時価総額上位で業績好調のテンセント(
00700)が引き続き相場をけん引しするとの見方が根強く、先高観が買いを誘ったもよう。結局、前週末に続き終値ベースで9年11カ月ぶり高値を更新した。
ハンセン指数構成銘柄では、テンセントが3営業日大幅続伸となり、1銘柄だけで指数を140ポイント以上押し上げた。マカオカジノの銀河娯楽(
00027)、サンズ・チャイナ(
01928)、自動車メーカーの吉利汽車(
00175)、台湾系食品メーカーの中国旺旺(
00151)も高い。半面、中国工商銀行(
01398)、中国建設銀行(
00939)、中国人寿保険(
02628)、AIAグループ(
01299)など金融主力株がさえない。8日に発表された中国主要70都市の住宅価格統計で価格上昇の都市が前月より増えたことを受け、当局の不動産引き締め強化への警戒感から不動産デベロッパーの華潤置地(
01109)が安い。ペトロチャイナ系ガス会社の昆侖能源(
00135)も売られた。
H株では、王伝福会長が2025年の目標売上高を1兆元とする中長期計画を明らかにしたBYD(
002594)は8%近い上昇。通信設備大手の中興通訊(
00763)が大幅反発。中堅商業銀行の招商銀行(
03968)も高い。半面、不動産大手の万科企業(
02202)が売られたほか、中国銀河証券(
06881)、中信証券(
06030)など証券株の下げが目立った。