19日の香港市場は買いが先行か。前日開幕した中国共産党の第19回党大会で習近平総書記(国家主席)が行った活動報告を手掛かりに、保険や環境保護、クリーンエネルギーなど関連セクターが引き続き物色されそうだ。習総書記は、国民皆保険制度の全面実施を打ち出し、全国統一の養老保険や医療保険の導入を表明した。また、厳格な生態環境保護制度を実施し、グリーン型発展の経済体系と生活様式を確立するとした。
また、18日のNY市場でダウ平均など主要3指数がそろって過去最高値を更新しており、香港市場でも投資家心理を支えそうだ。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、中国IT大手のテンセント(
00700)、大手商業銀行の中国建設銀行(
00939)と中国工商銀行(
01398)が香港終値を上回って引けた。一方、米連邦準備理事会(FRB)が日本時間のきょう未明に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、米経済が「全地区で緩やかに拡大した」としつつ、物価上昇圧力は依然緩やかだったと判断した。同報告は、政策金利を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)の討論資料になるだけに、米利上げペースが緩やかになるとの観測が浮上した。
なお、きょう午前に中国の2017年7−9月期国内総生産(GDP)や、9月の鉱工業生産など主要経済指標が発表される。