香港コングロマリットの新世界発展(
00017)は11日、子会社の新世界中国が2023年に中国本土で成約した不動産販売額が134億元を超えたと発表した。うち、7−12月の売上高は75億元を超え、2024年6月期の年度目標の50%に達した。中国本土の一線都市(北京、上海、広州、深セン)で今年続々と手掛けるプロジェクトが売上高と利益に貢献していく見通しだとした。
新世界発展は、中国政府が近年打ち出した住宅ローン規制の緩和措置「認房不認貸」や住宅購入規制の緩和、「城中村」(都市の中に取り残された村落)の再開発などの政策が本土不動産業界の持ち直しにつながり、同社の多くの物件の人気と販売数を押し上げたとの見方を示した。例えば昨年3月に発売した広州市番禺区の「耀勝新世界広場/耀勝尊府」住宅プロジェクトは、これまでの売り上げが40億元を超えた。
主要都市での他の大型プロジェクトとしては、広州市白鵝潭のビジネス街住宅プロジェクト「新世界・天馥」、杭州市「新世界・城市芸術センター」1期の商業施設部分などがある。さらに武漢市の「漢江・雲赫」商業プロジェクトの「河之洲HAN ZONE」商業街が24年半ばに開業する。広州市「耀勝新世界広場」は25年5月に全面開業する計画。このほか、傘下のK11による本土初の旗艦プロジェクトである深セン市太子湾の「K11 ECOAST」が今年末に開業する見通し。
同社は現在、中国本土で8つの都市再開発プロジェクトに投資している。全て広州や深センなどの中核都市に位置し、延べ床面積は270万平方メートル、販売可能な資産の評価額は保守的に見積もっても800億−1000億元に上る。うち、深セン龍崗区にある188工業区の更新プロジェクトはすでに着工し、25年6月期に販売する予定。同市のほかの2つの都市再開発プロジェクトである深セン西麗新圍工業区プロジェクトと光明光僑食品工場プロジェクトが全面的な開発段階に入り、さらに複数の広州中心部の都市再揮発プロジェクトも順調に進行しており、グループの都市再開発事業が収穫の段階に入ったとした。
香港では香港国際空港「航天城(SKYCITY)」の小売り・飲食・エンターテインメント一体型の大型ランドマークである「11 SKIES」が22年から25年にかけて段階的にオープンしており、同社に持続的な賃貸収入をもたらすと見込む。
新世界発展の株価は日本時間午後3時23分現在、前日比2.55%高の11.26HKドルで推移している。