◇テンセント
◇Tencent Holdings Ltd.
◇ハンセン:00700
◆ポイント
◇その他収益が縮小、投資先企業の評価損や減損損失が増大
◇付加価値サービスが減収減益、未成年者のゲーム規制が痛手
◇22年10−12月期決算は増収増益、オンライン広告事業が巻き返し
◆22年10−12月期決算は増収増益、オンライン広告事業が巻き返し
テンセントが発表した2022年12月本決算は売上高が前年比1.0%減の5545億5200万元、純利益が同16.3%減の1882億4300万元となった。通期決算での減収減益は04年に香港市場に上場して以来、初めて。主力の付加価値サービスやオンライン広告の低迷で全体の売上高が小幅に縮小する中、一般管理費が18.8%増の1066億9600万元に膨らんだのが響いた。また、その他収益が前年の1494億6700万元から1242億9300万元に減少したことも痛手。22年10−12月期に美団(
03690)の持ち株のみなし売却益(1066億元)を計上したが、投資先企業の評価損や減損損失が膨らみ、JDドットコム(
09618)株のみなし売却益を計上した前年の水準に届かなかった。
事業別では付加価値サービス部門の売上高が1.4%減の2875億6500万元、粗利益が4.8%減の1456億4700万元。国内のゲーム事業が未成年者保護規制などで低迷した。オンライン広告は売上高が6.7%減の827億2900万元、粗利益が13.8%減の350億900万元にとどまった。特に上半期に大きく落ち込み、下半期に復調したが、カバーできなかった。一方、フィンテック・事業サービス部門は売上高が2.8%増の1770億6400万元、粗利益が13.6%増の583億7400万元と増収増益。決済サービスの復調が寄与した。新型コロナの感染が広がったが、決済額は増えている。
22年10−12月期決算は売上高が前年同期比0.5%増の1449億5400万元、純利益が同11.9%増の1062億6800万元。オンライン広告が巻き返し、2桁増益を確保した。
◆会社概要
中国のインターネットサービス大手。対話アプリ「微信(WeChat)」やポータルサイト「QQ.com」を基盤にゲームやスマホ決済、動画配信などを手掛ける。オンラインゲームの配信で世界最大手。22年12月の月間利用者は微信が13億1300万人、インスタントメッセンジャーの「QQ」モバイルデバイス版が5億7200万人、有料付加価値サービス(VAS)登録者は2億3400万人。米エピックゲームズなどに出資する。傘下の音楽配信会社テンセント・ミュージック(
01698)が22年9月に香港上場。
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