◇美団
◇Meituan
◇ハンセン:03690
◆ポイント
◇売上高が22%増、フードデリバリーや日用品即配サービスが牽引
◇非IFRの調整済み純利益、62%増の57億2700万元
◇新事業部門は共同購入サービスが苦戦、営業赤字続く
◆新事業部門は共同購入サービスが苦戦、営業赤字続く
美団が発表した2023年7−9月期決算は売上高が前年同期比22.1%増の764億6700万元、純利益が同195.4%増の35億9300万元となった。フードデリバリーや日用品即時配送サービス「美団閃購」などの牽引で売上高が順調に伸びる中、売上構成の変化やデリバリー費用の圧縮などで採算が改善し、粗利益率は前年同期の26.6%から35.3%に上昇。利用者向けの優遇措置や広告・販促費用の拡大で販売費は55.3%増の169億500万元に膨らんだものの、研究開発費や一般管理費の抑制で営業利益は239.9%増の33億5900万元となった。株式報酬費用や投資損益、減損引当金などを加減した非IFRS(国際会計基準)の純利益は62.4%増の57億2700万元となる。
事業別ではローカルサービス部門が順調に伸び、売上高が24.5%増の576億9100万元、営業利益が8.3%増の100億9600万元となった。フードデリバリー事業は堅調だったが、レストラン・旅行予約事業の減益で一部が相殺された。デリバリー事業では配送回数が23.0%増の61億7900万回、売上高が14.3%増の229億8400万元。会員制度を利用したクーポンの提供などを通じ、取引頻度の高い利用者が急速に増えている。「美団閃購」も売り手の数や利用者数、注文数が大幅に増加した。
新事業部門は売上高が15.3%増の187億7600万元、営業損失が51億1200万元(前年同期は67億7100万元の営業損失)だった。共同購入サービス「美団優選」は経済成長の鈍化や消費動向の変化などを背景に苦戦し、大幅な赤字を計上した。
◆会社概要
中国の生活関連アプリ運営大手。飲食店や旅行代理店などの事業者と消費者を結ぶ電子商取引プラットフォームを運営する。スマホアプリを通じて提供するサービスが中核。15年にネット出前の「美団」と口コミサイトの「大衆点評」が合併。18年4月にシェア自転車の摩拝単車(モバイク)を傘下に収めた。大株主のテンセント(
00700)は23年、現物配当で保有する美団株の9割超を手放したが、戦略提携関係は維持する。
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