◇キングソフト
◇Kingsoft Corp.,Ltd.
◇香港その他:03888
◆ポイント
◇データセンター費用の増加で売上原価が4割増、採算は悪化
◇クラウド事業の急成長続く、オンラインゲームは低調
◇子会社の分離上場に積極的、クラウド事業も分離へ
◆クラウド事業の急成長続く、オンラインゲームは低調
キングソフトが発表した2019年7−9月期決算は純利益が3600万元となり、5900万元の純損失を計上した前年同期から黒字に転換した。売上高は前年同期比31.6%増の20億2300万元。クラウドサービスの拡充に伴うデータセンター費用の増加で売上原価が42.3%増の12億元に膨らみ、粗利益率は前年同期の45.2%から42.3%に悪化。ただ、研究開発費用や一般管理費の抑制、関連会社利益の急増などで税引き前損失が1億1000万元に半減し、黒字転換につながった。
事業別ではクラウドサービス部門の売上高が62%増の9億7600万元と大きく伸びた。モバイル動画セクターの顧客の利用急増や法人向けクラウド事業の増収が売上高全体を押し上げた。「WPS Office」を柱とするオフィスソフト部門も好調で、売上高は50%増の3億8300万元。個人向けの「WPS Office」の付加価値サービスが急成長し、高機能化を通じた有料利用者数の拡大も奏功した。一方、低調だったのがオンラインゲーム部門で、売上高は2%減の6億6400万元。既存ゲームの収入が減少する中、新たなゲームが減収分を補えなかった。
同社は子会社の分離上場に積極的だ。オフィスソフト事業を手掛ける子会社、北京金山弁公軟件股フン有限公司は今月18日に上海証券取引所の科創板に上場する計画。また、14日はクラウド事業子会社のキングソフト・クラウド・ホールディングスの分離上場を検討していることも明らかにした。上場先などは未定という。
◆会社概要
中国のゲーム・クラウド大手。「剣網」「剣侠情縁」などオンラインゲームの開発・配信、データの保管・保存やコンピューティングなど法人向けクラウドサービス、統合オフィスソフト「WPS Office」が事業の3本柱。米NY上場ユーティリティアプリ会社会社チーターモバイル(CMCM)にも出資する。クラウド部門「金山雲」は世界の公共Iaasで世界トップ10入り(米IDC集計)。筆頭株主の雷軍会長はスマホ大手の小米集団(
01810)の創業者。テンセント(
00700)も大株主。
⇒⇒⇒ この企業に関する詳細情報はこちら