◇キングソフト
◇Kingsoft Corp.,Ltd.
◇香港その他:03888
◆ポイント
◇オンラインゲーム部門は6%減収、「剣侠情縁1」が衰退期入り
◇クラウドサービスが80%増益、映像・ネット向けが好調
◇株価が場中に前日比14.6%高と急騰、2年4カ月ぶり高値を更新
◆株価が場中に前日比14.6%高と急騰、2年4カ月ぶり高値を更新
キングソフトが21日大引け後に発表した2017年7−9月期決算は、売上高(継続事業)が前年同期比16.0%増の13億300万元、純利益が同68.3%増の2億3800万元だった。研究開発費や販売費の増加で営業利益は46.2%減の1億5000万元に落ち込んだが、セキュリティーソフトやスマホアプリなどを手掛けるチーターモバイルの利益急増で非継続事業利益が19.5倍の1億3000万元に拡大し、純利益が大幅に増えた。
事業別の売上高はまちまち。主力のオンラインゲーム部門が5.7%減の7億4700万元と低調だった半面、クラウドサービス部門が80.1%増の3億5800万元、オフィスソフト・その他が49.6%増の1億9800万元と大きく伸び、全体を押し上げた。ゲーム部門はモバイルゲーム「剣侠情縁1」が衰退期に入ったのが痛手。「剣網3」の収入は伸びたが、穴埋めできなかった。一方、クラウドサービス部門は主力の映像、モバイルゲーム、ネットなどの関連企業向けが好調だった。オフィスソフトでは17年9月に「WPS Office」のモバイルバージョンの月間利用者数が1億3500万人と過去最高を更新し、パソコンバージョンが初の1億人超えを達成している。
22日の香港市場では、17年7−9月期決算の大幅増益が好感され、キングソフト株が大幅高。場中に前日比14.6%高の24.70HKドルをつけ、15年7月以来、2年4カ月ぶりの高値を更新した。終値は9.7%高の23.65HKドルだった。
◆会社概要
中国のソフトウエア大手。「剣網」「剣侠情縁」などオンラインゲームの開発・配信と、企業・開発者向けクラウドサービス、オフィスソフト「WPS Office」が事業の3本柱。米ナスダック上場のネット企業、迅雷と21ヴィアネット・グループ(世紀互聯)にも出資する。セキュリティーソフトやスマホ用アプリなども手掛けていたが、事業会社のチーターモバイルが2017年に連結対象から外れたことで、非継続事業となった。雷軍会長は中国スマホ大手の小米(シャオミ)の創業者。
⇒⇒⇒ この企業に関する詳細情報はこちら