◇中国神華能源
◇China Shenhua Energy Co.,Ltd.
◇H株:01088
◆ポイント
◇16年12月期の純利益、前年比41%増の248億9000万元程度に
◇石炭業界の供給側改革が前進し、供給過剰の解消が奏功
◇電力事業をてこ入れ、グループ企業と共同で販売会社を設立
◆電力事業をてこ入れ、グループ企業と共同で販売会社を設立
中国神華能源は2016年12月本決算の純利益が248億9000万元程度になったようだと明らかにした。15年12月本決算の純利益は176億4900万元で、増益率は約41%に上る。同社は増益の要因として◇中国の石炭業界の供給側改革が前進し、石炭の供給過剰状態から需給均衡に転換した◇石炭供給源の統合に取り組み、石炭や電力の販売を強化した◇コスト抑制への取り組みを強化した――などを列挙している。
16年通年の業務統計をみると、主力事業は回復基調にある。石炭販売量は前年比6.6%増の3億9500万トン、電力販売量は4.8%増の2億2100万MW時とともに順調に伸びている。石炭販売量が前年比で増えるのは3年ぶり。14年には12.4%減、15年には17.9%減と落ち込み、業績も悪化した。中国の石炭価格指標である環渤海動力炭価格指数(BSPI)は2014−15年に下落基調が続き、15年末にようやく底を打った。16年は特に下期の回復基調が顕著。このため中国神華能源の業績は16年6月中間期に純利益が前年同期比19%減となったが、通期では4割強の増益になる見通しだ。
中国神華能源は電力事業をてこ入れする計画で、親会社傘下の神華新能源有限責任公司と共同出資で電力販売会社の神華国華江蘇售電有限責任公司を新設する。新会社は積極的に電力の配電や電力小売事業を拡充する方針。65%を出資する中国神華能源は、共同出資を通じて電力事業全体の競争力を高める計画だ。
◆会社概要
中国の石炭最大手。石炭の生産・販売から輸送、発電まで手掛ける総合エネルギー会社。石炭生産量は中国最大で、世界でも最大手クラス。陝西省、山西省、内モンゴル自治区に計5鉱区を保有し、2016年6月末の可採埋蔵量は156億トンに上る。生産量の約7割が一般炭。自社で石炭輸送用の鉄道11本、港湾3カ所を運営し、傘下に海運会社も保有する。発電所は華北地区を中心に16年6月末時点で28カ所、総発電能力は5万4100MW。
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