◇中国郵政儲蓄銀行
◇Postal Savings Bank of China Co.,Ltd.
◇H株:01658
◆公開株式数:H株121億659万株
◆公募株式数:H株6億533万株
◆オーバーアロットメント・オプション:最大18億1599万株
◆上場日:9月28日
◆公開価格レンジ:4.68−5.18HKドル
◆会社概要
郵便事業を手掛ける中国郵政集団公司の商業銀行子会社。日本のゆうちょ銀行に相当する。郵便局の窓口を代理店として利用できる点が強みで、16年3月末の支店、出張所、代理店の数は計4万57カ所(うち代理店が3万1756カ所)と中国の商業銀行では最大の営業網を持つ。リテールの顧客数も国内最大で5億500万件に上る。利益に占める個人向け銀行業務の比率は46%と大手商業銀行5行の平均30%を上回る(15年12月期)。16年3月末の総資産は7兆7100億元で、4大国有銀行に次ぐ5位。預金残高は6兆7300億元で5位、貸出残高は2兆6700億元で7位。
◆15年12月本決算:増収増益
経常収益は前年同期比9.6%増の1906億3300万元、純利益は7.0%増の348億5900万元だった。資金利益が6.8%増えた上、役務取引等利益もカード・POS業務や理財サービスの手数料収入が寄与して33.8%増加。投資証券純損益も黒字に転じた。ただ、平均貸出残高は前年から3割増えたものの、不良債権比率が0.8%と0.16ポイント上昇。資産減損損失は25.6%増えて256億元に達した。純金利マージンは中国人民銀行(中央銀行)による基準金利引き下げや金利規制緩和が響いて2.78%と0.14ポイント縮小。中核的自己資本(Tier1)比率は8.53%と0.09ポイント改善した。
◆今後の計画
正味調達額は最大616億3000万HKドルと、今年の新規株式公開(IPO)としては世界最大となる見込み。調達資金は自己資本の増強に充てる。配当性向は10%以上とする方針。リテール(個人や小企業、農家向け取引)を主力に、法人とトレジャリーを両翼として事業展開する経営方針を掲げる。リテールでは親会社の郵政集団に加え、15年に戦略投資家となった中国人寿保険(
02628)や中国電信集団公司、テンセント(
00700)などと共同でクロスセリングやネット金融を展開する予定。法人事業やトレジャリー業務でも戦略投資家のUBS、JPモルガンと協力する。
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