30日の香港市場は前日の米株安の流れを引き継ぎ、続落して始まるか。米国と中国は28−29日にストックホルムで開いた閣僚級協議で、互いに一時停止中の関税措置について停止期間をさらに延長する方針を確認した。ただ、90日間の延長を決めるとの観測報道が事前にあったため、市場の反応は限られると予想する。
中国商務部の国際貿易交渉代表を務める李成鋼副部長は協議後の会見で「米中の共通認識に基づき、米国側の報復関税24%分と中国側の対抗措置の一時停止措置を両国が継続して進める」と述べた。一方、ベッセント米財務長官は「まだ技術的な詳細を詰める必要がある」とした上で、90日間の再延長について30日にもトランプ米大統領が最終判断するとの見通しを示した。
また、米連邦準備理事会(FRB)が香港時間31日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表するとあって、様子見ムードが次第に広がる展開があり得る。会合後のパウエルFRB議長による発言内容を見極めたい投資家は、積極的な売買を手控えるだろう。
29日のNY株式相場はダウ平均が続落し、ハイテク株主体のナスダック総合は5営業日ぶりに反落した。中国との貿易交渉を巡る不透明感やボーイングなど一部の決算発表銘柄の下落が重しとなった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国ネット通販大手のアリババ集団(
09988)とJDドットコム(
09618)、新エネルギー車メーカーの理想汽車(
02015)が香港終値を下回った半面、英金融大手のHSBC(
00005)が上回って終えた。