中国国際金融(CICC)は最新リポートで、香港の不動産開発大手、恒隆地産(
00101)の目標株価を8%引き上げて8.0HKドルとした。投資判断は「アウトパフォーム」を維持。ファンダメンタルズへの下押し圧力が緩和されつつあることや、香港銀行間取引金利(HIBOR)の低下が利払いの縮小につながること、加えて香港株式相場の持ち直しを反映させた。現在株価での配当利回り7.5%、予想コアPERは11.8倍となり、現在の市況では投資妙味が比較的大きいと評価した。『信報』が25日伝えた。
CICCは、中国本土の消費環境が回復基調にあることから、恒隆地産が中国本土で運営する商業施設の小売売上高は足元で縮小が続くものの、減少ペースは昨年10−12期より減速する見通しだとした。収益構造上、固定賃料収入の比率が約8割に達しており、小売売上高を上回る業績への貢献が期待できるとみている。ただ、前年実績と比べると賃料収入は微減となる可能性があるとした。
一方、香港の不動産事業については現行の経営方針を維持し、保有資産の一部売却による資金確保もあり得るとした。24年の賃貸収入は一部の小売物件およびオフィスでの大口テナントとの契約更改にともなう影響で9%減少したが、この要因を除くと実質的な減少幅は1%−2%程度にとどまった。今年の香港不動産ポートフォリオからの賃料収入は微減を見込む。
恒隆地産の株価は日本時間午後3時40分現在、前日比8.36%高の7.52HKドルで推移している。