シティグループは最新リポートで、中国ネット通販大手のJDドットコム(
09618)ホテル・旅行仲介事業への進出を表明したことについて、同市場に短期的な不確実性が生じるとの見方を示した。JDドットコムは18日、ホテル事業者向けの「京東ホテルPLUS会員プラン」を公表。同プランに参加するホテル事業者は、最長3年間、手数料が無料となる。『AAストックス』が19日伝えた。
シティは、新規参入者にとってホテルの供給元を確保すること自体は難しくないものの、一般的なホテルは、特に繁忙期の観光地においては、安定的かつ大量の集客が見込めるオンライン仲介業者との取引を優先する傾向があると分析。また、補助金を使って一時的にユーザーを集めることは可能だが、ユーザーの定着には安定した商品供給と高水準のカスタマーサービスが不可欠であると指摘した。このため、既存のオンライン旅行会社がサプライチェーンの管理体制を強化することで、JDドットコムに対抗し得るとみている。
個別銘柄について、シティはトリップ・ドットコム(
09961)と同程旅行(
00780)の投資判断をともに「買い」に据え置いた。トリップ・ドットコムの米国預託証券(ADS)の目標株価を78米ドル、同程旅行の目標株価を26HKドルに設定した。