ゴールドマン・サックスは最新リポートで、テンセント(
00700)の音楽配信子会社、テンセント・ミュージック(
01698)の目標株価を60.4HKドルから82HKドルに引き上げた。投資判断は「買い」を維持。2025−27年の売上高予想を0.5−3.9%、非GAAPベースの純利益予想を0−4%上方修正した。『AAストックス』が18日伝えた。
ゴールドマンは、テンセント・ミュージックの有料会員制度「スーパーVIP」の加入率は現在1桁台前半にとどまっているが、将来的には20%に上昇する可能性があると指摘。また、スーパーVIPの1人当たり平均売上高(ARPU)は現在十数元に過ぎず、同社が提供する音楽コンテンツやライブイベントなどの特典が日々充実していることから、2025年のARPUは前年比10%増、26年以降は1桁台後半の伸びを予想した。
サブスクリプション以外の事業について、オフラインイベントやアーティストマネジメントが将来的に大きな成長余地を持つと評価。すでに契約アーティストが増加しているほか、レコード制作やコンサートのスポンサー業務への参画も拡大していると指摘した。テンセント・ミュージックが最近発表した韓国のSMエンターテインメントへの出資と中国の音声配信大手、喜馬拉雅控股(Ximalaya Inc.)の買収を踏まえ、音楽コンテンツやサービスの強化に取り組んでおり、単なるストリーミング配信にとどまらず、音楽産業全体のバリューチェーンへの進出を図る長期戦略と一致すると指摘した。財務面では潤沢なキャッシュフローと健全なバランスシートを有しており、株主還元策の持続性にもリスクは少ないとみている。
テンセント・ミュージックの株価は日本時間午後4時46分現在、前日比1.50%安の72.30HKドルで推移している。