復星国際(
00656)傘下の上海復星医薬(
02196/
600196)は16日、イスラエルの製薬大手テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズとがんの免疫療法に使う新薬候補「TEV-56278」の事業化について戦略提携を結んだと発表した。テバが抗PD1-IL2療法向けに独自のATTENUKINE技術を用いて開発したTEV-56278について、上海復星医薬が中国本土、香港、マカオ、台湾、一部東南アジア諸国において開発・製造・商業化する独占的なライセンスを取得した。
具体的なライセンス料金は明らかにしていない。上海復星医薬のグローバル研究開発センター最高経営責任者(CEO)を務める王興利・執行総裁はTEV-56278開発での提携について「テバが持つ画期的な医薬品の開発能力と、上海復星医薬が中国市場において積み上げてきたがん治療の開発・商業化のノウハウを結び付け、世界中の患者に向けて早期に治療薬を提供できるよう協力していく」と語った。
テバによると、TEV-56278はPD-1抗体とサイトカイン(IL-2)との融合タンパク質。PD-1陽性のT細胞に対してIL-2を選択的に送達するよう設計されており、腫瘍に対するT細胞活性を強化しつつ、全身性の副作用を最小限に抑えることを目指している。この新たな標的型アプローチにより、幅広いがんに対する治療効果の改善が期待できるという。