アリババ集団（09988）の人工知能（AI）部門「通義千問（Qwen）」は、米アップルの「MLXアーキテクチャー」向けに最適化したAIモデル「Qwen3シリーズ」をリリースした。これにより、中国本土でもアップル製品に同社の生成AIサービス「アップルインテリジェンス」を搭載できるようになる。通義千問はQwen3モデル32種を全てMLX対応にしてオープンソース化することで、アップルのiPhoneやiPad、Macなどに導入しやすくする方針を明らかにした。香港経済紙『信報』が16日伝えた。

　MLXアーキテクチャーは、アップルが自社開発した半導体「アップルシリコン」向けに開発したオープンソースの機械学習フレームワークで、同社が設計した統合メモリアーキテクチャーを高効率に活用することができる。

　アリババ集団は今年2月、アップルと提携し、中国版iPhone向けAI機能を開発すると発表した。しかしアップルが9−13日に開催した年次開発者会議（WWDC）では、中国でのアップルインテリジェンスの認可状況についての発表がなく、一部の中国ユーザーからは落胆の声が上がっていた。