中国共産党中央弁公庁と国務院弁公庁が10日に発表した「深セン総合改革試験の深化・改革革新と開放拡大に関する意見」では、香港証券取引所に上場する粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)の企業が政策に基づいて深セン証券取引所に上場できることが明記されたが、『中国証券報』は新たな施策により、香港に上場する約220社が香港と深センに重複上場する可能性があるとの見方を示した。対象には中国のインターネットサービス大手、テンセント(
00700)や中国の新興電気自動車(EV)メーカー、小鵬汽車(
09868)なども含まれ、時価総額は16兆元に上ると試算した。『信報』が12日伝えた。
中国銀河証券でチーフアナリストを務める楊超氏は、香港上場企業の深セン証券取引所への「回帰」により、A株市場は構造的な拡大が期待できると指摘。投資価値を備えた大湾区の企業として、低バリュエーションで高配当の企業を挙げた。低バリュエーションで高配当の企業は保険基金や年金基金などの中長期資金の配分ニーズに合致しており、外部環境の不確実性が高い低金利の環境下において、安全性と収益性を備え、ディフェンシブ資産の中核になるとの見方を示した。
また、テクノロジー関連は中長期投資のメインテーマであり、重複上場のメカニズムはハードテクノロジー企業に対し、複数市場での資金調達を可能にし、技術革新や産業化の加速を後押しすると予想。このほか、政策支援を受けた消費セクターについても言及している。