世界最大の車載電池メーカー、CATL(
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電池容量の単位であるAhは、電圧が一定である場合にセルの電力量を示す指標で、数値が大きいほど容量が大きい。現在、蓄電用セルの主流は300Ah−400Ahだが、500Ah以上のセルが現在の電池メーカーの新たな競争領域となっている。
CATLの国内蓄電ソリューション最高技術責任者(CTO)の林久標氏は、587Ahセルを使用する蓄電システムについて、314Ahセルを使用する蓄電システムと比較して、バッテリーモジュールの数が33%、システム部品の数が40%削減され、システム統合コストが15%減少すると説明した。ただ、蓄電セルは大きければ大きいほど良いというわけではなく、電池の電気化学性能、蓄電所全体の整合性、システム統合の三者間でバランスを取るべきだと指摘した。林氏は、現時点ではさらなる「大型化」を進める計画はなく、今後は同じ筐体を用いて性能の最適化とアップグレードを図る方針を示した。